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不動産運用の体験談

税務調査で否認されると、調査年度の追徴税額にばかり目を奪われている経理担当者がいますが、否認内容によっては、そう嘆くには及ばない場合もなかにはあります。
もっとも税務署の立場からみれば、本来納めるべき税金を支払ったにすぎないのであって、嘆くというのはまったくお門違いということでしょうか。
さて、否認にも病気にたとえると重症と軽症があって、ここでは重症のほうを「永久否認項目」と呼び、軽症のほうを「翌期認容項目」と呼ぶことにします。
 永久否認項目=これは、会社が計上した費用が、税務上、永久的に損金にならないとして否認される項目です。
たとえば、会社が役員に別荘を寄贈したときに、これは役員賞与にあたるとして否認された場合がこれに該当します。
役員賞与は利益分配であって、税務上もまったく損金処理できないことから、否認された年度はもちろん翌期以降も損金となりません。
したがって、追徴された法人税は納めたままとなります。
永久否認項目としては、役員賞与のほかに、過大役員報酬、過大役員退職金の役員関連項目、取引先への供応・便宜供与等の否認が内容となる交際費の限度超過額、子会社などへの利益移転が問題となる寄付金の限度超過額などがあります。
 翌期認容項目=これは、会社が収益または費用を計上しているタイミングと税務上、益金または損金として認めるタイミングとが一致しない場合(計上時期のズレ)に生じる否認項目です。
たとえば、会社が期末に未払リベートを費用に計上したが、税務調査で未払リベート計上の条件が揃っていないという理由で否認されるケースです。
ところが、翌事業年度になって、会社が実際にリベートを現金で支払った場合には、今度は税務上も支払額を損金として認めてくれる(認容)結果、法人税もその分安くなります。
 つまり、いったん否認されて納付した法人税も、後日生き返るわけです。
そこで否認されたときに納付した税金を前払税金と呼ぶ人もいます。
なお、翌期認容の「翌期」というのは翌年度以降という意味で、なかには数年かけて少しずつ認容していく項目もあります。
 未払リベートのほかに翌期認容項目としてよく登場するものは、販売不振の棚卸資産の評価損、相手先が実質上倒産しているが税務の要件を満たしていない場合の貸倒損失、固定資産や繰延資産などの減価償却費を税法限度以上に行った場合の償却限度超過額、本来新規の固定資産を購入したものと同様に認められる修繕費用、そして売上の計上もれ等です。
 税務否認されると、自ら修正申告書を提出するか、税務署からの更正通知書を待ちます。
いずれにしても本税(不足の法人税額)のほかにペナルティとしての延滞税、加算税を納付します。
これらのペナルティは、正しく申告納税した納税者との公平性を保つために設けられています。
 延滞税は納付が遅れた期間に対応する利息相当額です。
つまり、法定納期限の翌日から完納の日までの日数に応じて、不足税額に年一四・六%を乗じて計算した金額を納めることになっています(一〇〇円未満切捨て)。
ただし、納期限の翌日から二ヵ月以内に完納すれば延滞税率は年七・三%になります。
また法定申告期限から一年を過ぎて更正された場合は、延滞税のかかる期間は法定申告期限の翌日から一年間となります。
少し技術的な計算が必要ですので、以下のケースを使って説明しましょう。
 W社は、申告後二年経過したところで税務調査を受け、二〇〇〇万円の不足税額を更正されたので、更正納期限に完納しました。
この場合の延滞税は、更正通知書の発付日の翌日から更正納期限までの期間について年率七・三%を適用して計算します。
もし更正納期限の翌日から二ヵ月を超えて納めた場合は、年率一四・六%の延滞税を支払います。
 ここでもっとも重要なことは、延滞税の計算期間が調査を受けた対象事業年度の法定申告期限の翌日から追徴税額を完納する日までの全期間(九一三日)ではなく、当初一年間と修正申告書を提出してから(または更正通知が発せられた日から)完納までの三〇日の合計三九五日でよいことです。
三九五口分として支払った七九万円を、全期間(九一三日)のコストとみた場合、延滞税率はわずか年三・一%の低税率となっていることがわかります。
これは法定申告期限後一年をたってから税務調査があった場合に、当初の法定申告期限までさかのぼって延滞税をかけると相当多額になる場合があることから、税務行政の見地から国が法律で軽減措置を認めているものです。
したがって、偽り・不正の行為によって税を免れようとした場合には、この軽減措置は適用されず、全期間(最長七年)について延滞税がかかります。
 なお、延滞税と似たものに利子税がありますが、これは一定の条件で税法が認めている延納や申告書提出期限の延長の制度を利用した場合、その期間内は年率七・三%が適用されます。
 加算税はある種の罰金の性格をもっていますが、税務署が行うのはあくまで納税義務違反に対する行政罰なので、脱税犯に対するような刑事罰ではありません。
したがって、単に申告額が過少であったからといって、即罰金をとるというのではありません。
税務調査の通知が届いた後に修正申告署を提出した場合とか更正されることを予知して修正申告書を提出した場合とかではない場合(つまり明らかに納税者が自発的仁修正申告したと認められる場合)には、加算税はとられないことが税法に定められています。
しかし、このへんの事実認定は裁判でも争われる微妙なところであり、また実際にもケースは少ないでしょう。
ほかにも画一的な罰金からの救済の道を開き、適正な納税申告を促すために、税務署長の判断により加算税を課さない余地を法律のうえでは残しています。
 法人税の関連では、重加算税、過少申告加算税、無申告加算税があります。
 重加算税=加算税の中でもっとも重く、税率は不足税額の三五%(申告しなかった場合は四〇%)と大変高いものです。
重加算税をとられるのは会社が不足税額について、税金計算の基となる事実を隠したり、別のものに見せかけたりした場合(隠蔽・仮装)に限られていますが、納税者としての姿勢に問題があるといえます。
 過少申告加算税=これは通常、会社が修正申告や更正を受けた場合に納めることとなる加算税で、不足法人税額の一〇%です。
ただし、当初納付した税額より追加納付する金額の割合が大きくなる場合、つまり、当初に本来納付すべき金額のほんの一部を納付している場合と大部分を納付している場合とで一律一〇%では不公平として、加算税に格差をつけるために加重制度を設けています。
修正申告や更正で納付すべき税額が、当初の期限内申告税額または五〇万円のいずれか多い金額を超えるときは、納付すべき税額と超える部分の税額とのいずれか少ない金額の五%の金額を先はどの一〇%金額に加算した金額とすることになっています。
 無申告加算税=期限後申告または無申告の場合には、申告税額または決定税額の一五%です。
これは、悪意でなく単に申告忘れしていた場合でも、たとえ一日でも期限後となると納付税額の一五%を加算される制度です。
五%までの軽減措置もあるが該当するケースはまれです。
やり得ということは節税対策にありません。
特に節税の道をはずれたために重加算税をかけられる事態になると、会社にとって大きな損害をこうむることになります。
そして現実の税務調査では重加算税の対象とされるケースが増えてきています。
 企業のなかには、節税することにのみ目を奪われて、脱税に走ってしまう例もあります。

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